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管理日記

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2009-06-13

ランドリは「ノブレス・オブリージュの時代」のずっと先を行っている

14:39

確かに、ランドリオールにおいては、カイルの“騎士道”や、ミュージアム・バルの華やかな“貴族文化”が、肯定的に描かれています。

しかし、このことをもってして、“ノブレス・オブリージュ”や、ひいては“階級制”が肯定されていると解釈するのは、いささか短絡的なのではないかと思います。また、ランドリオールの重要な側面を見落としている可能性があると思います。


14巻ex1において、イオンフィル王城の式典で受勲できませんでした。イオンは女性で、フィルは地位が低いからです。これが現在のアトルニアの姿です。はたして、このような景が、終始好意的に描かれていたでしょうか。

もちろん否です。イオンに勲章を授かった男子は「君が授与側だなんて!」とこっそりとつぶやき。女子たちは非公式の式典を開いて、イオンフィルに勲章を授けました。彼らは、騎士道を否定することはありませんが、かといって現存する階級社会を肯定しているわけでもありません。

それと、14巻ex2で、「商人が客を守って何が悪い!」と言ってのけるライナスがいます。すでに、“騎士の誇り”と“商人の誇り”が「平等」であるという前提が、あたりまえのように共有されているのです。


ランドリオールは、騎士を“特権階級”からひきずりおろすような物語ではありません。あらゆる人が“特権階級”になってしまうような、そんな物語なのです。

階級主義と平等主義の対立、などという陳腐な構図に収めることはできません。そのような対立を軽々と飛び越えていくのがランドリです。

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